完了しています!このプロジェクトでは現在既に全てのデータが分類されました。
Welcome! This project recently migrated onto Zooniverse’s new architecture. For details, see here.
ASAS-SNとは何ですか?
全天超新星自動サーベイ(The All-Sky Automated Survey for Supernovae :ASAS-SN)は、観測可能な夜空の全域を可視光で毎晩観測できる、最初の・そして唯一のプロジェクトです。それぞれのASAS-SNのユニットには、裏面照射型冷却CCDとgバンドフィルターを搭載した4台の口径14cm望遠鏡が備え付けられています。 ASAS-SNは現在ラス・カンブレス天文台によって世界各地に6ユニットが設置されており、テキサス州のマクドナルド天文台、ハワイのハレアカラ、南アフリカ天文台、中国西部で1ユニットずつと、チリのセロ・トロロ汎米天文台で2ユニットが稼働中です。
光度曲線とは何ですか?
簡単に言えば、光度曲線はその星の明るさの時間経過とともにプロットしたものです。ASAS-SNは北半球・南半球の両方の望遠鏡を使って毎晩観測可能な空全体を可視光で観測しています。このプロジェクトの間、こうした観測を用いて約1億個の恒星の明るさを測定しています。
ASAS-SNで観測しているのはどの波長帯ですか?
ASAS-SNは現在可視光波長で夜空全体を観測しています。つまり、人間が見ている世界と同じ波長です!この観測をより科学的に有用なものにするため、私たちはフィルターを使って集める光子を制限しています。ASAS-SNはスローンgバンドフィルターと呼ばれる、有効中心波長 が480.3 nmでFWHMが140.9 nmのフィルターを使っています、
ASAS-SNはどのように観測し、そのデータを処理しますか?
ASAS-SN望遠鏡の特性に対応するため、私たちは空をいくつかのフィールドに分割し、各領域を毎晩少なくとも1台のASAS-SNカメラで撮影できるようにしています。フィールドによっては1夜で複数のカメラが撮影することもあります。現在までに、各領域は少なくとも2000回撮影されています。観測されたデータは「画像減算」と呼ばれるプロセスで処理されます。
ASAS-SNのフィールドの画像を長期間分平均化した画像を参照画像として用います。この参照画像には、そのフィールドの恒星の平均光度の情報が含まれています。
それぞれのフィールドは毎晩、90秒間の露光を3回ディザリングして行い、典型的な限界等級は g = 18 等級になります。この3回の露光を加算することで、データの信号/雑音比を向上させます。
新たに撮影した観測画像から参照画像を引き算することで、差分画像が得られます。この差分画像には、これまで参照画像では見えなかった突発天体や恒星の変光といった情報が含まれます。完全に光度が同じである恒星は差分画像には現れません。しかし、超新星のような突発天体は差分画像に残ります。ASAS-SNは近傍宇宙の突発天体を発見するために差分画像を使います。また、この差分画像を使ってフォトメトリーと呼ばれる光子計数法を用いて、その天体の光度を測定します。
画像の減算によって、特に銀河のとても恒星が混みいった領域でも素晴らしい結果を得ることができ、天の川銀河の変光星の優れた光度曲線を得ることができています。
ASAS-SNで観測される恒星までどれくらい離れていますか?
ASAS-SNでは、近いものは数百光年、一番遠いものは10万光年以上離れた、天の川銀河を公転する小さな衛星銀河であるマゼラン銀河の恒星を観測できます。数百光年より近い恒星は明るすぎて私たちの撮影データでは飽和を起こすので、信頼できる光度曲線を得ることはできません。逆に、あまりにも遠い恒星は暗すぎて、私たちの口径14cmという比較的小型の望遠鏡では観測が困難になります。
ASAS-SNでは既にVバンドデータで変光星を分類しましたが、なぜまたgバンドで分類を行うのでしょうか ?
確かに私たちは既に、機械学習手法を用いて、2013年から2017年までのASAS-SNがまだ2ユニットだった頃に観測したアーカイブのVバンドデータから変光星を分類しました。この分類結果は私たちの変光星データベースウェブサイトで公開されています。
しかし、gバンドデータでは最初のVバンドデータより改善した点が多くあります。
私が行った分類はどうなりますか?
これらの分類は、参加者全員から集めた分類とともに保存されます。本プロジェクトのチームは皆さんのデータを慎重に組み分わせて分析し、変光星の総合的な分類結果に仕上げます。すべての結果は誰でも利用できるように公開されます。
なぜこんなに多くの人々の協力が必要なのですか?
私たちは膨大な量の光度曲線を抱えています!機械学習が得意とする分野もあれば、人間のほうが得意とする分野もあります。特に、人間は「外れ値」を見つけることが得意です。こうした異常な外れ値は、私たちの自動パイプラインの不具合で起こったノイズもあれば、実際に存在する天体物理学的に異常な特異天体であることもあります。また、食連星系内に存在する脈動変光星のように、既知の変光星種別同士の珍しい組み合わせも外れ値となります。こうした稀な天体は科学的に非常な有用なツールとなり、新しい科学を切り拓くかもしれません。