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本プロジェクトは、100年以上前に描かれた太陽のスケッチを見て、そこに含まれる黒点の数をデータとして取り出すものです。特に、イタリアのローマ大学天文台で1853年から1878年にかけてアンジェロ・セッキが観測したスケッチを用います。
アンジェロ・セッキ(Angelo Secchi)はイエズス会士で、かつ太陽の秘密について強く惹かれた科学者でした。
1853年から1878年にかけて、セッキは天候の許す限り毎日太陽の観測を行うという仕事を成し遂げました。
この過程で、彼は太陽表面にある黒点と呼ばれる暗い点のスケッチを数多く残しました。
本プロジェクトの主要タスクは、セッキの未整理のスケッチから黒点の数をデータとして抽出することです。
こうした太陽スケッチはまさにタイムカプセルであり、これは重要なタスクです。スケッチ中の太陽黒点の数は当時の太陽の磁場活動の様子をそのまま物語っているからです。そのため、古いスケッチから黒点を識別し計数することは、過去の太陽のふるまいを知るだけでなく、太陽活動が長期にわたりどのように変化してきたかを知る手掛かりにもなります。このプロジェクトで得たデータは、国際黒点数(黒点相対数)とよばれる太陽活動を長期にわたり測定するうえで最も一般的な指数の研究に使われます。
しかし太陽だけではありません!このプロジェクトは、太陽が私たちの地球に及ぼす影響を理解する手助けにもなります。なぜなら、黒点のスケッチは過去の太陽の明るさ、つまり地球に送られた放射エネルギーの量を知る手掛かりになるからです。そのため、スケッチを見て過去の太陽の明るさを知ることで、太陽が地球の気候に与えた影響をより良く理解できます。
本プロジェクトのスケッチはイタリア国立天体物理学研究所(INAF) に所属し、ローマ天文台(OAR)が保有しています。
本プロジェクトで使われる画像は、Ermolli et al. (2023)で行われた仕事に基づいて、スケッチから黒点群ごとに切り出されて生成されたものです。
アンジェロ・セッキの肖像
(出典:バチカン天文台)
アンジェロ・セッキについてのアニメーションビデオThe QuEST
(クレジット:ヨーロッパ太陽望遠鏡プロジェクト)
セッキによる黒点スケッチの一例
(クレジット: INAF)