研究

火星の雲とそれを研究する理由
雲は惑星の大気圏でよくみられる現象です。雲は大気圏を温めることも冷やすこともできるので、惑星の天候や気候を理解するうえで重要です。
火星の場合、大気圏全体に氷の雲が形成されるので、研究者や探査機では分からない風の存在を知る手掛かりにもなっています。火星は乾燥した惑星ですが、大気には水蒸気が存在し水の氷の雲を形成します。しかし火星大気のほとんど(95%ほど)は二酸化炭素でできており、低温の環境なので、二酸化炭素の氷(ドライアイス)も雲を形成します。

以下の重要な課題に取り組むため、皆さんの助けを得て雲について調べています。

  • 火星の雲の形の分布には、日ごと・季節ごと・年ごとのパターンがあるのか
  • 雲の形に卓越風のパターンはどの程度反映されるのか
  • 地球と火星で似た構造を持つ雲は、形成のメカニズムも似ているのか

私たちのこのプロジェクトでの目標は、まずこれらの雲を見つけてマッピングすることで、これらの疑問に答えるためのデータベースを構築することです。

私たちのデータセットと雲の見つけ方、そして皆さんの助けが不可欠な理由
こうした目的のために、私たちは紫外分光撮像装置(Imaging Ultraviolet Spectrograph : IUVS)が長年集めたデータを使って雲を探します。IUVSは火星全球を紫外線で観測し、火星大気中の水の氷とダストの組成量を測定します。火星の画像のほとんどは何らかのダストやもやが含まれていますが、大きな雲も様々な形状で頻繁に写っています。火星には様々なユニークな形の雲があり、そのいくつかは地球でも見られるため、こうした雲のグループは2つの惑星間でどのくらい似ているのだろうという疑問も生まれます。

こうした雲の形は水の氷の存在だけではなく、その下にある大気の状態を知る手掛かりにもなります。たとえば、地球で卓越風が山にぶつかるとその背後に一連なりの空気の波を形成し、これらの波の希薄な部分の空気中に雲が形成されます(重力波雲)。

同様に、風が温かく湿った空気を山の上まで押し上げると、急速に冷えて凝結し、山頂に笠雲が形成されます。


こうしたケースでは、雲の形と存在から、風の安定性や気温条件、大気中の水蒸気の状態について知ることができます。火星でも同様の雲を見つけることで、火星で雲が形成されるメカニズムについて知り始めることができます。

短期目標
今後1年間で、最高空間解像度のデータから始めて、6つの主要な雲の種類を分類し、科学者がモデリングやデータ解析の作業で参照できる有用なデータベースを構築しようと考えています。その過程では、他のユニークな雲も発見される可能性があり、これらは別の研究で役立ちます。調査が進めば、IUVSのより空間分解能が低いデータを含めて、それらでも雲が発見できるかを確かめます。

長期目標
MAVENミッションの期間中(2014年から現在まで)の雲の発見にぜひご協力ください。皆さんの助けで、火星の季節の変化によってこうした雲の種類がどのように表れ、変化するかを決定でき、その結果大気のダイナミクスの理解に繋がります。この成果によって皆さん含むすべての火星科学者が使用できる新しいライブラリーが構築でき、これらの雲の形がみられる頻度や空間的範囲、および何年間かの変化を把握できます。この充実したライブラリによって、年ごとの変動がどのように表れるか、火星大気での雲形成を促進/阻害するメカニズムについての研究を進めることができます。しかし、こうした変化を理解するにはあなたのような市民科学者の助けがさらに求められます。

火星の雲についてさらに学ぶには
火星についての基礎を学びたいですか?

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その後、NASAジェット推進研究所とグーグルの協力で作られたAccess Marsで、火星を仮想的に訪れてみましょう。
火星探査についてはNASAの火星探査プログラムのウェブサイトを参照してください。
火星大気中の雲についてもっと深く知りたい場合はこの資料がおすすめです。
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