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よくある質問

よくある質問

私たちへの質問はトークページから送ってください!その中から特によく聞かれる質問とその答えを以下にピックアップしました。

なぜ褐色矮星のことを「クールな隣人」と表すのでしょう?

褐色矮星は中心核で水素を核融合させるための質量に達していない、恒星のような天体です。しかし、質量数が大きくより核融合を起こしやすい水素の同位体である重水素は、褐色矮星の質量でも核融合を起こすことができます。その結果、褐色矮星は典型的な恒星よりはずっと暗いもののわずかな量の光(ほとんどは赤外線です)を放射します。褐色矮星は太陽よりも(場合によっては10倍ほど!)低温です。本プロジェクトの目的は、こうした温度としてクールな天体を私たちの近傍宇宙で発見することです。そのため、クールな隣人("Cool Neighbors")と表現しています。

このプロジェクトと、バックヤードワールド:プラネットナインプロジェクトとの違いは何ですか?

バックヤードワールド:プラネットナインは主に太陽系の外縁部にあるとされている仮設上の天体(Planet 9)の発見を目的としていました。そのような天体は太陽系の外の天体よりも非常に空を速く移動するので、プラネットナインプロジェクトでは連続画像を差分画像として示しています。これは、恒星や銀河などの変化しない天体をすべて差し引き、時間経過につれて高速で移動したり明るさを変化させる天体だけを表示させる方法です。これは太陽近傍の褐色矮星を見つけるうえでは理想的ではありません。なぜなら褐色矮星はプラネットナインよりもずっとゆっくりと空を移動するからです。私たちの捜索を褐色矮星に最適化するために、本プロジェクトでは空の画像を差分を取らず、普通の星や銀河もそのままに表示しています。これにより、時間経過による空の一定領域の見え方をより直感的に確認できます。さらに本プロジェクトでは画像のカラースケールを反転させており、何も写っていない空は白く、明るい恒星や銀河は黒い点で表しています。

もう1つ重要な違いは、本プロジェクトはあらかじめターゲットを絞った探索であることです。プラネットナインプロジェクトが空の領域をランダムに表示しているのに対し、本プロジェクトでは機械学習で前もって抽出した褐色矮星候補の写った空の領域を表示します。なぜなら本プロジェクトでは探したい候補天体はそれぞれ画像中心に配置されていることが期待できるので、プラネットナインプロジェクトよりもはるかに狭い画角で拡大した領域を使って、より詳細な捜索ができます。

従来のプラネットナインプロジェクトでも既にいくつかの新しい褐色矮星の発見に役立っていますが、そのワークフローは褐色矮星の発見に最適化されていません。より最適化された本プロジェクトならさらに数百から数千個の準恒星質量天体を発見できるでしょう!

褐色矮星はどのように見えますか?

これらの天体をこの目で実際に見ることができれば、木星のような見た目で、紫がかった赤色をしていると考えられています。

しかし褐色矮星は小さくわずかな光しか放たないので、検出は困難です。私たちが皆さんの協力を得て調べている画像では褐色矮星は静止した星々の間を横切る小さな点として現れます。オレンジ色をしていることが多いですが、色だけでは褐色矮星だと断定することはできません。フィールドガイド(画面右側の小さなタブ)を確認して実際に褐色矮星がどのように写っているかの例を確認しましょう!

褐色矮星はどのくらいの頻度で見つかりますか?

普通の(つまり主系列の)恒星や銀河や画像アーティファクトに比べて、褐色矮星は非常に珍しいです。たとえばWISEは何十億個もの銀河や恒星を検出しましたが、検出できる褐色矮星はおそらく数千個ほどしかないと考えられています。新しい褐色矮星候補を見つけるには、おそらく100から500の連続画像を見る必要があるでしょう。連続画像の中にはだいたい10%ほど、既に発見されている移動天体をわざと混ぜています。これによって、実際の移動天体がどう見えるかを定期的に確認でき、さらに研究チームが、受け取った分類の正確性を把握する役に立ちます。

このサイトの使い方

はじめに:
画面右上の分類タブをクリックし、現在の分類ワークフローへ直接移動できます。ここでは、あなたに見てもらうフレームに写っている星が移動天体(褐色矮星候補)かどうかを見分けてもらいます。

画像の左下の再生ボタンを押すとタイムラプスアニメーションが始まるので、フレーム内を横切って移動している天体がないかを探してください。画像を右上のバーのツールからパン・拡大でき、パソコンのマウスホイールでも拡大できます。

さらにヘルプが必要な場合はチュートリアルや「このタスクに関するヘルプ」ボタン、画面右側のフィールドガイドを確認してください。

移動天体を見つけましたが、何をしたらいいですか?

「はい」を押して完了を押せばいいですが、更なる調査をすることができます。最初に、以下で詳説するツールを使って、以前に出版された天文学の文献でその天体が公表されていないかを調べます。
もしSIMBADやGaia[*]に載っていない天体を見つけたら、このフォームに記入してください!
フォームに記入しなくても、分類の結果からだけでもいずれあなたの発見を知ることはできますが、研究チームがそこにたどり着くまでに時間を要することになります。

[*]もし移動天体がGaiaに掲載され、年周視差(parallax)や固有運動(proper motion)が測定されていれば、その天体は太陽系に近いためGaia近傍恒星カタログ(GCNS)などのカタログ・論文で既に掲載されている可能性が高いので、発見済みの移動天体を考えます。Gaia内に載っていても年周視差や固有運動が欠測になっている場合は、フォームからも提出してください。ただしGaiaでも検出できる天体は比較的高温のものに限られるので、そのような天体は私たちの科学チームによる追跡観測の優先順位は低くなる可能性が高いことに注意してください。

WiseViewの使い方
WiseViewはZooniverseで表示されているサブジェクトと似たようなWISEデータの連続画像を表示するために構築されたオンラインツールです。しかしZooniverseの連続画像と違い、WiseViewはZooniverseでは固定されている設定値を自由に変更でき、その中には最小・最高輝度(画像のコントラストの設定)、スライディングウィンドウ(ノイズを抑えるために隣り合うフレームを混ぜる手法についての調整)、ガイアオーバーレイなどを含みます。ガイアは夜空の既知天体の最大級のデータベースです。

他サイトと同様、見ている領域に対応するWiseViewへの直接のリンクがそれぞれのサブジェクトのメタデータタブに含まれています。リンクをクリックすれば、ガイアオーバーレイはデフォルトでオンになっています。Zooniverseで変光天体や移動天体を見つけた場合は、SIMBADなどの他にWISEViewを開いて、Zooniverseで見ている画像と同じ位置に緑色の点があるかを調べてください。もしその位置に点があれば、その天体はガイアのデータべースに既に含まれています。もし緑の点がなければ、それは新しい天体です!分類の後で、後述の方法でデータベースを調べ、SIMBADに含まれていないことを調べたら、こちらの移動天体フォームにも記入してください。

SIMBADの使い方
SIMBAD (天文データ同定・測定・書誌セット:the Set of Identifications Measurements and Bibliography for Astronomical Data)はプロの天文学者も使用する便利な天体データベースで、本プロジェクトで重要なツールです。このブログ記事で、あなたの見ている天体が既に知られているか新発見かを確かめる詳しい方法を解説しています。

Zooniverseで表示されている天体を直接SIMBADで検索したリンクが、サブジェクトのメタデータに含まれています。画像右下のiボタンのSIMBAD linkを押してください。

SIMBAD上で、あなたが見ている領域内に1つしか天体がヒットしなかった場合は、リンクからは直接その天体の情報のページに飛びます。複数以上のヒットがあれば、画像中心からの距離が近い順に並んだ天体のリストが表示されます。リンクをクリックすればSIMBADで、見つけた天体についての詳しい情報を知ることができます!さらに、もしSIMBADで合致する天体がなければ、全く新しい天体を見つけた可能性があります!トークページでサブジェクトについて議論する際は、ぜひハッシュタグ #insimbad#notinsimbad を使ってみてください。

SIMBADの表では長い名前の略語が使われており、たとえばV* = Variable(変光星)、WD* = white dwarf(白色矮星)、PM* = high proper motion Star(固有運動の大きい星)、BD* = brown dwarf(褐色矮星候補)、BD? = brown dwarf candidate(褐色矮星候補)などです。SIMBADの詳細についてはユーザーズガイドをご覧ください。

SIMBADの最も便利な機能の1つが、カタログ内の天体それぞれについて、その天体に言及している論文の一覧が表示される機能です。SIMBADの天体ページを3/4ほどスクロールすると"References"という項目があり、"sort references"をクリックすればあなたの調べている天体について言及・議論している論文タイトルを(そうした論文があれば)見ることができます。ぜひ論文の内容も確認してください。あなたの調べた天体は、すでに国際的な大きな議論の対象として注目されている場合もあれば、ただ装置の較正に使われただけだったり位置測定の参照先だったりするだけかもしれません。

VizieRの使い方
SIMBADで探している天体が見つからなければ、VizieRを利用して公開されているほぼすべての天体カタログを探すことができます。VizieRについてのより詳しい紹介はこのブログ記事を参照してほしいのですが、ここでも少しだけ基本事項を紹介します。

SIMBAD同様、Zooniverse上で見ている天体をViZieRで見つけるためのリンクはすでに各サブジェクトのメタデータで準備されています。

SIMBADと違い、VizieRは検索している多種のカタログごとに、多数の天体リストを提供します。それぞれのリストはあなたが探している位置(推定した座標や、画像の中心)から距離が近い順に並べられています。それぞれのカタログが、独自の特別な目的や視点・注意事項があるため、このリストをさらに生かすには追加で資料を読む必要があるかもしれません。移動天体を見つけた可能性が高いので、クエリで"proper motion"への参照を調べてみてください。たとえばページで"pm"と検索すれば、固有運動が100ミリ秒角/年以上の天体を探すことができます。同じように"pmRA"と検索すれば赤経成分の固有運動について、"pmDE"と検索すれば赤緯成分の固有運動が 100ミリ秒角/年以上の天体を探すことができます。もしVizieRにも載っていない天体を見つけたら、トークページでハッシュタグ #notinvizier を付けて知らせてください。

お願い:VizieRにはあってもSIMBADにはない変光天体を見つけたら、「はい」の分類に加えてこちらの移動天体フォームにも記入してください。

注意:VizieRのALLWISEカタログに載っている固有運動の値を信用しないでください。
測定ノイズが大きいので、非現実的な値をとることがよくあります。

見ている画像の大きさはどれくらいですか?
それぞれの画像サイズは43ピクセル四方で、1ピクセルは2.75秒角に対応します。ですので画像の画角は約120秒角四方、つまり0.2分角、または0.03度四方です。

画像内に複数の移動天体があればどうすればいいですか?
2個以上の移動天体があっても質問に「はい」と答えるのは1個の場合と同じです。同様にメタデータのWiseViewやSIMBADへのリンクからこれらの移動天体がそれぞれ既知かどうか調べ、SIMBADやGaiaに載っていなければ同様に移動天体フォームから報告してください!

移動天体を画像中心以外の位置で見つけた場合はどうしますか?
分類の際の質問はほとんどの移動天体を可能な限り簡単に見つけられるように書いています。しかし私たちの機械学習アルゴリズムも常に完ぺきではありません。もし画像中心以外に移動天体があっても同じように「はい」と答えてください。その後トークページで、中心からずれていることを報告してください。

アーティファクトと天体の見分け方

分類で実際のデータを扱う以上、あなたには褐色矮星ハンターとして考慮に入れるべき事項があります。データ内に存在する様々なアーティファクトと、発見したい実際の褐色矮星を見分けることが重要です。

ゴースト

検出器のノイズや欠陥は、オレンジ色で移動する天体のように見えることがあり、偽の褐色矮星候補として見えることがあります。以下は一例で、WISEデータのゴーストと呼ばれます。

この例の詳細

オレンジ色に見えますが、画像内の星の形とは違って、奇妙な穴の開いたドーナツ状をしています。そのためこれは実際の褐色矮星ではないことが分かります。
このリンクをたどれば、このゴーストは画像外で見切れていた位置にある明るい恒星を光源として現れていることが分かります。

回折スパイク

WISE望遠鏡に入った光は、副鏡を支えるための部品に当たって回折を起こします。その結果、あなたが見る画像の一部には明るい恒星の周りにこうしたアーティファクトが現れます。この例では、画面外の近くの明るい恒星からの回折スパイクが画像中心にある別の恒星と重なっています。

この例の詳細

「この例の詳細」をクリックして、回折スパイクを起こしている恒星を探してみてください!

混み合ったフィールド

混み合ったフィールドとは、アーティファクトではありませんが、天の川銀河の銀河面のような、空の中で特に恒星が多い領域ですこれらの領域で分類を行うのはコンピューター、人間の両方にとって難しいことがあります。
以下が混み合ったフィールドの例ですが、中央にオレンジ色の褐色矮星が右下に向かって移動しています。

この例の詳細

これらは特に一般的なアーティファクトの種別ですが、ほかにも分類中に遭遇しうるアーティファクトはいくつかあります。フィールドガイドでより詳しい情報を確認してください!

既知や未知の褐色矮星といった移動天体と、様々なアーティファクトを区別するための詳細な案内はありますか?

はい、市民科学者のLeopold Gramaizeが、とても詳しいアドバイスを掲載した非常に役立つガイドを提供しています。

なぜ褐色矮星が重要なのでしょうか?

褐色矮星は恒星の形成と惑星の形成の橋渡し役です。褐色矮星の物理的特性は、恒星と惑星の両方に重なっています。それらの存在数を数え、質量を測定することで、恒星や惑星、さらには銀河がどうやって形成されるかを知る手掛かりになります。特に低温の褐色矮星は太陽系外惑星の類似物として使えます。それらの大きさは木星に近く、さらに木星や地球と同じような温度も場合もあります。さらに、明るい恒星の周りを回っていてその光が邪魔になる太陽系外惑星よりも研究がしやすいという利点もあります。その結果、褐色矮星についての大気についての詳細な情報を入手でき、それらの組成や自転、雲や天候、磁気特性を知ることができます。一部の褐色矮星は惑星を持つこともあります。この市民科学プロジェクトで皆さんと協力し、太陽系外惑星の大気の多様性を理解するために役立つ、雲の特徴を持つ珍しい褐色矮星を発見したいと思っています。より詳細はJackie Fahertyのブログ投稿を読んでください。

何個の褐色矮星が見つかると期待されていますか?

本プロジェクトを通じて数百から1000個の新しい褐色矮星が発見できると期待しています。

これまでに何個の褐色矮星が知られていますか?

およそ3000個が知られています(出典)。

M型矮星、L型矮星、T型矮星、Y型矮星とは何ですか?

恒星と同様に、褐色矮星はそのスペクトル中の吸収線(表面温度の指標になります)で分類できます。M型矮星は3500-2100 K、L型矮星は2100-1300K、T型矮星は1300K-600Kほど、そしてY型矮星は600Kよりも低温です。褐色矮星の大きさはどれも同じくらいなので、温度が低いほど暗い褐色矮星になります。この褐色矮星のスペクトル型は恒星の種別から延長されたものなので、全体での分類はO, B, A, F, G, K, M, L, T, Yとなります。また、各スペクトル型にはより微妙な温度の違いを数字で表すサブタイプがあり、たとえばT6型矮星はT3型矮星より低温です。恒星と褐色矮星はどちらもM型矮星になりますが、一般的に褐色矮星はM6型より高温になれないとされています。

知られている褐色矮星で最も太陽系に近いものは何ですか?

ルーマン16やWISE 1049-5319と呼ばれる一対の褐色矮星は太陽系から6.52光年(1.99パーセク)に位置し、既知の褐色矮星で最も近いです。もしかしたらあなたがさらに近い褐色矮星を発見するかもしれません。以下の図で、一番近い恒星と褐色矮星の位置関係を示しています。

(NASA/ペンシルベニア州立大学)

WISEデータで検出できる最も遅い移動天体はどれくらいの移動速度ですか?

本質的に、私たちは1ピクセルの動きを移動として認識することができます。したがって、連続画像で表示している10年間で1ピクセル(=2.75秒角)の動きが限界に相当し、概算すると

2.75 秒角 /10年 = 0.275 秒角 /年 となります。

太陽に最も近い恒星は何ですか?

プロキシマ・ケンタウリが、知られている中で最も太陽に近い場所にある恒星です。アルファケンタウリ系と呼ばれる3個の恒星からなる星系で一番暗い星なので、アルファケンタウリCとも呼ばれます。最も近い恒星が最も近い褐色矮星よりも近くにあるのは奇妙に感じませんか?

Gaiaの年周視差を太陽からの距離にどうやって変換しますか?

Gaiaのカタログでは年周視差(parallax)はミリ秒角単位で記載されています。ミリ秒角でのGaia年周視差を太陽系からの距離(パーセク単位)に変換するには以下の式を使います。

パーセクでの距離 = 1000 / (ミリ秒角での年周視差)

年周視差が大きいことはその天体が近傍にあり、年周視差が小さいことはその天体が遠方にあることを意味します。
Gaia年周視差の値が50ミリ秒角であれば、太陽系からの距離は20パーセク(65光年)に相当し、これは天文学的には非常に近い距離です。Gaia年周視差が5ミリ秒角(5masと表します)は200パーセクに相当します。一般的にこのプロジェクトでは、最も興味のある褐色矮星は太陽系から100パーセク以内に位置しているはずです。
年周視差についての更なる背景情報はこちらを参照してください。