Join the Perseids 2025 campaign on Radio Meteor Zoo. The Perseids, produced by dust from comet Swift–Tuttle, are one of the most reliable meteor showers of the year, with activity peaking in mid-August. By identifying radar echoes in our data, you help map how the shower develops and changes over time. Your contributions make a real difference.

研究

概要

BRAMS (ベルギー電波流星ステーション:Belgian RAdio Meteor Stations)は、地球の大気圏に落下してきた流星の前方散乱を利用して、流星を検出し特定する電波受信局のネットワークです。

専用の送信機・ビーコン(上の地図の赤い三角)がベルギーの南部に一か所設置されており、天頂に向けて総出力150Wで49.97MHzの周波数の純粋な正弦波を放っています。入射した電波は、流星の大気圏突入時に後ろに残る電離した軌跡に反射されます。ベルギー中に約30か所点在する受信局(上の地図の青い点)は、流星の軌跡が反射した電波信号(以後 流星エコー と呼びます)を記録します。上の画像の左側が送信機のアンテナで、右側がブリュッセル近郊のイクルのある受信局です。

電波観測は光学観測と比べて主に2つの利点があります。1つ目は気象条件に関わらず24時間観測できること、2つ目は低質量過ぎて観測に十分な明るさで光らないような大量の流星にも感度が達していることです。

毎日、BRAMSでは何千もの流星エコーが検出され多くのデータが集まりますので、コンピューターによる自動検出アルゴリズムを使う必要があります。BRAMSの電波データ(スペクトログラム)は画像として生成され、自動検知アルゴリズムは流星エコーの特徴的な形を検出します。しかし、その精度は、最も優れた検出器である人間の目を完全に模倣するまでには至っていません。

この星屑デンパズーでは、太陽に接近した彗星が放出したダスト粒子が引き起こす流星群に特化しています。毎年8月12日付近のペルセウス座流星群が、もっともよく知られた流星群の例でしょう。しかしこの流星群の期間は、BRAMSのデータ中に数多くの複雑な形状をした流星エコーが写り込むようになり、自動検出アルゴリズムでは正しく検出ができなくなります。そこで星屑デンパズーのボランティアの皆さんの出番です。流星群期間中の流星エコーの識別を手伝ってください。

あなたが検出した流星は、活動曲線(時間あたりの流星数、活動がピークとなった瞬間の記録)の作成、流星群の質量指数(流星体の粒子の質量分布の尺度、質量指数が高いと低質量の粒子が多く、質量指数が低いと大質量の粒子が多い)の推定、流星フラックスの計算、複数のBRAMS受信局からのデータによる流星の軌道決定など、多岐にわたって活用されます。

以下で、流星体、流星群、電波の前方散乱、BRAMSデータについて詳説します。


流星体とは何ですか?

流星体は惑星間空間を移動する固体物質で、IAUの定義では小惑星よりは小さく原子よりは大きいとされています。流星体は秒速11kmから72kmの幅広い速度で、太陽周囲を様々な軌道で公転しています。時々地球の軌道と交差し、大気圏に突入します。多くの流星体は塵の細かい粒子です。


流星とは何ですか?

流星(流れ星)は流星体が地球の大気圏に突入する様子が目に見える現象です。この発光は高度80kmから120kmの間で起こります。


隕石とは何ですか?

隕石は、流星体が地球に大気圏に突入しても生き残り、そのまま地上まで到達して落下した破片です。最初の突入時の流星体よりかなり小さくなっています。隕石は十分に大きな流星体からしか生じないため、非常に珍しい現象です。


流星群

多くの流星は、いつでも、そしてどの方角からもやっています。こうしたものを散在流星と呼びます。その起源は主に小惑星に起因しています。
地球の大気圏に落下する流星の大部分は散在流星です。しかし、彗星が放出し、その軌道に沿って分布するダストに関連する流星という、もう1つの分類があります。

彗星が太陽に近づくと、温まった影響でダスト粒子が軌道に沿って放出されます。もし地球の軌道がその彗星の軌道と交差していれば、毎年同じ時期にダストの雲を地球が横切ることとなり、流星群が発生します。

幾何学的効果により、流星群に属する流星は、輻射点と呼ばれる空の一点から訪れるように見えます。それぞれの流星群は、この輻射点が属している星座の名前で呼ばれます。たとえばペルセウス座流星群の輻射点はペルセウス座の中にあります。

画像クレジットと著作権者: Darryl Van Gaal


イオン化軌跡

流星体が地球の大気圏に突入した際、その軌跡に沿ってイオン化の軌跡(イオンや電子でできています)を形成します。概ね近似的には、この軌跡は若干の差はあれど直線を描きます。


電波の前方散乱

  • このイオン化の軌跡(上の画像で黄色の線)は地上の送信局からの電波(赤い線)を一時的に反射することがあります。
  • もし受信器が送信局の周波数に同調されていれば、数分の1秒から数秒間続く反射の信号を受信でき、これを流星エコーと呼びます。
  • 前方散乱は、受信局が送信局と同じ地点にないことを意味します。
  • 流星エコーの持続時間は流星体の大きさにおおよそ依存し、流星体が大きいほど反射された信号は長く観測されます。
  • ほとんどの流星エコーの継続時間はほんの数分の1秒です。
  • 信号の解析は、質量や速度、軌道といった流星体の情報を知るうえでとても重要です。

BRAMSのデータ

BRAMSデータは通常、受信した周波数を時間の関数で示したスペクトログラムの形をしています。典型的なスペクトログラムは以下の通りで、周波数は垂直軸に沿って200Hzの範囲、時間は水平軸に沿って5分間の範囲を表示します。信号の強度が色に対応しており、青がノイズである非常に低い強度で、緑から黄色、赤になるにつれて強度が上がります。

  • 水平に走る信号 (画像中にはbeacon frequencyと表示)は、送信局からの信号を何も反射させずにそのまま受け取ったものです。スペクトログラムは、周波数の200Hzの幅の範囲で、この信号が中央に来るように目印として作られています。
  • 長く続く信号 (画像中にはAirplane echoesと表示)は航空機による電波の反射です。
  • 短い信号 (画像中にはUnderdense meteor echoesと表示)は、低密度な流星エコーです。ほとんど垂直の形状をしています。微小なダスト粒子によるもので、BRAMSが検出するほとんどの流星エコーを占めます。明るいエコーもあれば暗いエコーもあります。信号は不連続になることもありますが、同じ垂直線上に並んでいれば単一の流星エコーと見なします。
  • 長く継続しているのは高密度な流星エコーで (画像中にはOverdense meteor echoesと表示)、より大きな流星体で起こります。スペクトログラムでの形状が複雑で、様々な形をしているため解析を難しくします。その形状と複雑さの多様さを示すため、さらに2つの例をいかに示します。 高密度な流星エコーは流星群の期間にたくさん発生します。

スペクトログラムには、さらにいくつか追加の信号の種類があります。

  • 広帯域干渉は、200Hzの垂直の範囲全体に現れます。これらは流星エコーではありません。受信局の周囲の局所的な干渉(コンピューターや電気のスイッチ、雷などが原因です)によるもので、例を以下に示します。

    広帯域干渉は通常短時間ですが、長く続くこともあります。
  • 航空機の軌跡は通常細く、逆のS字型を描きます。以下の例では7機の航空機が見えます。

    ただし、航空機が急に方向転換するなどして、複雑な航跡を描くこともあります。

    これも複雑な航空機の例です。

市民科学への参加の重要性

BRAMSのデータは5分ごとに保存され、BRAMSネットワークには30の受信局があるので、毎日およそ8000のスペクトログラムが生成され続けることを意味します。そのため流星エコーの自動検出アルゴリズムを要します。いくつかのアルゴリズムが開発されていますが、たくさんの航空機のエコーに低密度流星エコーが重なったときや、複雑な高密度流星エコーの検出に苦労しています。訓練された人間の目は、この場合もっともすぐれた検出器となります。前述のように流星群の時期はたくさんの高密度流星エコーが出現するため、市民科学者のたくさんの目が必要になります。あなたの助けはかけがえのない重要なものです!