Hi Redshift Wranglers! We want to learn more about who is interested in Redshift Wrangler, who our volunteers are, and how we can best support your contributions. Please take a few minutes to fill out our participant survey - your feedback will be so useful as we continue to grow and improve! Also note, this project recently migrated onto Zooniverse’s new architecture. For details, see here.

研究

レッドシフト・ラングラーへようこそ!

私たちのプロジェクトでは、初期宇宙や遠方銀河について知るために、光についての研究である分光学を用いています。
このページで光や銀河、宇宙の歴史について学んだら、さっそくページ上部のタブで「分類」を選び実際のデータを分類しましょう!

どうやって、銀河を用いて時間を遡りますか?

天文学において、宇宙空間を旅してきた光を望遠鏡で捉えることは、タイムマシンに乗ることと同義です。遠方の銀河の光が地球に到達し私たちのもとに届くには長い時間を要します。つまり、その銀河の過去の姿を見ることができ、それにとどまらずその時点での銀河の内部で何が起こり、私たちが今日知る、故郷である天の川銀河も含めた銀河の姿になるまでにどのような進化をしたかを知ることができます。

では、望遠鏡で銀河を見つけたとき、どの時代の銀河を見ているとどうやったら分かるのでしょう。鍵になるのは、宇宙の歴史におけるタイムラインです。


このタイムライン は、約140億年前に最初の銀河が形成されてから、銀河がどのように変容してきたかを示しています。こうした遠く離れた銀河を研究することは、宇宙の過去を研究することに相当し、宇宙や私たちの現在の位置づけをより良く理解できます。上のタイムラインは左端のビッグバンから始まり、上部で何億年が経過したかを追いながら現在へ向かっています。下部のマーカーは、後述する赤方偏移を表し、私たちからの距離に相当します。初期宇宙には、下部に黄色で示されているように再電離という時代があり、それまで全体的に中性だった宇宙がここでイオン化します。この時代から宇宙が透明になったので、遠方の銀河の光が私たちのもとに到達できるようになりました。
(再電離についての詳細は、 初期宇宙についてのNASAの資料を参照してください)
こうした宇宙のタイムラインは、時間と空間を繋げてくれます。タイムラインの左側は、はるか昔の過去と、はるか遠くの宇宙の両方を示しています。

しかし、なぜはるかかなたの宇宙で起こっていることをわざわざ気にするのでしょう?
あなたが呼吸に使う酸素も、あなたを形成する炭素も、あなたに流れる血液中の鉄も、すべて宇宙の歴史の一部である銀河の恒星の形成から死までの、宇宙の物語に由来します。銀河の元素について研究することで、天文学者が恒星や銀河がどのように形成されたかを知ることができるだけにとどまらず、私たちがどこから来たのか、宇宙における私たちの位置についても知ることにつながります。

私たちのチームの研究やこのプロジェクトについて紹介した動画をご覧ください!


研究背景

そんなに遠くにある銀河を、どうやって研究するのでしょうか?
銀河を研究するために、私たちが知る限り、天文学者が遠く離れたものについて知るためのおそらくたった1つの大切なツールである、 を使います!

私たちに最も近い銀河の1つであるアンドロメダ銀河であれば、このように写真を撮ることができます。

しかし本プロジェクトでは、私たちが興味のあるのはスペクトル です。
スペクトルでは、遠方の銀河といった天体からの光は分けられ、(可視光線でそれが起こっているのが、虹です)、元素の指紋のような働きをします。
分光器は望遠鏡でプリズム のように機能し、光を様々な色、つまり波長で分解します。

銀河のスペクトルを観察することで、私たちは様々な物質の痕跡を識別し、どの元素が存在しているかを決定できます。スペクトル中にみられる特徴のうち、ピークを 輝線 、谷間を 吸収線 と呼び、これらはさまざまな波長で見られます。人は誰でも決まった指紋を持つように、元素はどれもスペクトル中で決まった波長でピークや谷間を示します。これらの特徴的なパターンを調べることで、私たちはどの元素が存在するかを識別できます。

この画像は、一致する輝線・吸収線のスペクトル(波長とその波長での明るさのプロット)を示しています。この画像で、上部の虹色のパネルを 2次元スペクトル と呼び、下の赤い線でのグラフを 1次元スぺクトル と呼びます。簡単に言うと、2次元スペクトルは画像で、1次元スペクトルはグラフです。
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銀河までの距離をどうやって測定しますか?

私たちは、宇宙の膨張によって光の波が引き延ばされる 宇宙論的赤方偏移 を用います。あなたもおそらく似たような現象を音で、ドップラー効果として経験したことがあるはずです。トラックのクラクションや救急車のサイレンが、こちらに向かってくるときは高い音に、遠ざかるときは低い音に気付いたことはありませんか?私たちが聞いている高い音は、音波が圧縮された際の音で、トラックが通過した後の低い音は音波が引き延ばされた時の音です。
宇宙論的赤方偏移は、音波の代わりに、光の波長の周波数で同じような効果が起こる現象です。
この例では、トラックが私たちから遠ざかる動きをしているときにサイレンの音が低くなることが、宇宙自体の膨張により互いに引き離されている銀河の光が引き伸ばされることに相当します。引き伸ばされた量を、光のスペクトルを見ることで光の赤方偏移として測定できます。
私たちは輝線の特徴的なパターンを探し、それが本来存在するはずの位置からどれだけシフトしているかを決定します。


この例,では、中央段のスペクトルは私たちに向かって近づきも遠ざかりもしていない天体のスペクトルです。上段の赤方偏移したスペクトルは、その天体が私たちから離れて行っているときに観測され、逆に下段の青方偏移したスペクトルは私たちに向かってきている天体で観測されます。

そもそも赤方偏移の測定を用いて遠くの銀河がどのように運動しているかを測定した結果として、宇宙の膨張 が発見されました!宇宙にあるすべての天体が、他のすべての天体から遠ざかっていることがスペクトルから測定できます。銀河のスペクトルが大きな赤方偏移を示すことは、その銀河が極めて遠方に位置することを示し、赤方偏移の量を正確に測定することは、天体までの正確な距離を算出することに役立ちます。

天文学は、どうやって過去を遡ることに役立つのでしょうか?

遠くの宇宙を眺めることは、過去を見ることと同じです。光の速度は究極の速度限界ですが、それでも広大な宇宙の圧店から別の場所へ伝わるには時間がかかります。もし銀河が地球から何万光年、何億光年と離れている場合は、銀河の光が地球に届くまでに何万年、何億年と要することになります。遠方銀河からの光が地球に届いたときには、既に元の銀河の現在の形は光が出発した時から違っているはずです。私たちが観測した光は、私たちが受け取った光が銀河から発せられた時点での過去の銀河の姿を教えてくれます。宇宙で距離を測定することは、天文学において最も困難な、しかし同時に最も基本的な作業です。なぜなら、時間と空間の関係によって、遠方の銀河までの距離は、私たちが覗き込んでいるのは宇宙の歴史の中のどの時点の姿であるかを意味し、現在に至るまで銀河がどのように変容するかを繋ぎ合わせる手掛かりになるからです、


どこから来たデータを使いますか?

本プロジェクトで用いるのは、私たちがハワイ・マウナケア山頂のケック望遠鏡ハッブル宇宙望遠鏡などで集めた、何百、何千という銀河のスペクトルです。ここから鍵となるスペクトルの特徴を見つけるため、あなたの助力を必要としています。

本プロジェクトでは、あなたには遠方銀河のスペクトルデータセットから、輝線・吸収線を見つけてもらい、私たちが銀河にどの元素が存在するのか、その銀河の赤方偏移量はどれくらいかを決定することを手伝ってもらいます。測定を行うたびに、あなたはその銀河が以下の 宇宙史のタイムライン 上でどの時点に相当するかを特定する助けになります。

この画像は現在存在している銀河が時間とともにどのように見え、進化してきたかのタイムラインを示しています。私たちが観測する銀河はこのタイムラインのどこかに当てはまりますし、それを決めるのはあなたです!

あなたのすること

本プロジェクトでは参加者に向けて、2種類の相補的なタスクを用意しています。タスク1:スペクトルの識別 と、タスク2:スペクトルフィットの確認 です。以下のサンプル画像で、それぞれのタスクのデータを示しています。ただし、現在使用しているデータセットによっては片方のタスクしか稼働していないことがあります。

実際のデータに触れる前に、チュートリアルを通じて何をすべきかを把握できます。1つ目のタスクでは、あなたには背景ノイズと輝線・吸収線(データではスパイク状のピーク・谷間に見えます)を見分けてもらいます。2番目のタスクでは、スペクトル上に配置されたフィッティングが実際のデータに適合しているか(赤い線が黒い線に一致しているか)を分類してもらいます。機械による自動解析で生成されたフィッティングでも、フィッティングが適切かを確認し、修正すべき問題を見つけるには(そして何より、正確な赤方偏移を測定するには)それらを人の目で目視確認する必要があり、全てのデータを確認するためには皆さんの力が必要です。あなたのスペクトル線の識別や自動フィットの検査によって、銀河までの距離やその銀河の化学組成といった情報を得るために必要な材料が得られます!

結果はどうなりますか?

皆さんの助けでスペクトル中の鍵となる特徴を見分けられたら、私たちは銀河の赤方偏移を計算し、その値を様々な研究に応用できます。皆さんによる輝線の確認の成果によって、これらの銀河の重要な特性、例えば星形成率や化学組成、銀河中心の超大質量ブラックホールの挙動などを推定できます。そこから、銀河や周辺のガスが宇宙の大規模構造にどう関係するか、超大質量ブラックホールが銀河の進化にどのような役割を果たすか、ダークエネルギーがどうやって宇宙膨張を加速させるかといった長年の疑問に取り組む事ができます。


画像クレジット: RIT News
私たちは、科学者もそうでない人々もレッドシフト・ラングラーの
チーム に歓迎します。そして、本プロジェクトが、特にプロによって訓練されていない人にとってもアクセスしやすい魅力あるものになることを望んでいます!

どうやって始めますか?

レッドシフト・ラングラーのタスクを選択するには、このページのメインページ(ページ上部のロゴマークの隣にある「レッドシフト・ラングラー」部分をクリックすると繋がります)から、「はじめる」の下にあるタスク1、タスク2を選択してください。あるいは、タスク1-sandboxから、タスク1における理想的でノイズの少なくスペクトルを探しやすいDEIMOSデータを用いた練習ができます。これはタスク1と同じですが、あなたが初心者かより分かりやすいスペクトルで練習したい場合に最適です。また、「分類」から最後に取り組んだタスクを再開することもできます。例を見るにはチュートリアルを確認し、以下のリンクからは短い動画形式のチュートリアルも閲覧できます。動画を見る前に、このウェブサイトの残りの部分を確認し、分類タブの先にあるチュートリアルに目を通し、疑問があれば戻ってくることをお勧めします。また、分類中はいつでも画面右のスクロールバーにある狭いバナーの「フィールドガイド」を見ることができます。

それでも疑問点がある場合は、質問を「トーク」タブ.にあるトークボードに送ってください。

地上と宇宙の最先端の装置を利用して、重要な測定に加わってください!よい解析を!


画像クレジット: Serina Lin

このプロジェクトはNASAとNSFの資金提供を受けています。NASAの市民科学プロジェクトについてはこちら http://science.nasa.gov/citizenscience