





はい!世界中のアイスキューブの研究者、Zooniverseの協力者によって、英語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、日本語の言語版が存在します。
アイスキューブは南極点近くの1立方キロメートルの氷を取り囲む「望遠鏡」、粒子検出器で、宇宙で作られたニュートリノやほかの原子未満サイズの粒子を研究しています。
きわめて高エネルギーなニュートリノを検出するには、透明で暗い、巨大な媒体を要します。南極の氷床は純粋で安定しているだけでなく、自然界に存在する最高のニュートリノ検出材料です。氷の条件が優れているおかげで、粒子によって生成された微弱な光でも数百メートル離れたセンサーに到達します。
アイスキューブは天体物理学上の発見と高精度の素粒子物理学の両方を目的とする装置です。アイスキューブの中やそのそばで起こった高エネルギー粒子の相互作用光のパターンを生み、それが検出されるとコンピューターが処理できる形に焼き直されます。ここで、人の目はパターン認識において非常に優れており、とりわけ重要なのが予想外のパターンを見分けることに長けていることです。そのため、機械学習アルゴリズムが前もって分類した信号と、人間の目で分類された結果とを比較するテストをしたいと考えています。ボランティアのみなさんに私たちのデータの一部を見てもらい、私たちのアルゴリズムをさらに検証したいのです。もしかしたら、アイスキューブや宇宙全体についての理解を深めることにつながる奇妙な光のパターンが見つかるかもしれません。
物理学者はアイスキューブによって記録された、検出された相互作用をイベント、または信号と呼びます。ただし、これらの相互作用は常に起こっているため、複数の信号が近い時間間隔で発生することがあります。このような状況では、いつ信号の記録が始まり終わったかを決定することが難しく、またときには複数の粒子が同時に相互作用を起こすこともあります。アイスキューバー(アイスキューブコラボレーションの共同研究者)は、隣り合う8つのセンサーが5マイクロ秒以内に光を記録するごとに、イベントとみなして記録しています。毎日約2.5億回、1秒間におよそ2600回ものイベントが記録されるのです!その中にはニュートリノによって引き起こされるイベントも1日に数百ほど隠れており、そのごく一部が遠い宇宙から直接やってきたニュートリノです。
ニュートリノは素粒子(陽子・中性子・電子をもつ原子のような内部構造を持たない、最小単位の粒子)の一種で、ごくわずかな質量をもち電荷は持ちません。ニュートリノは、重力相互作用に加え弱い相互作用を起こしますが、原子核内で粒子をまとめる強い力である核力や、電磁相互作用は受けません。このため、ニュートリノは宇宙で2番目に多い粒子であるにもかかわらず、間接的にしか研究することができないのです。アイスキューブでは、ニュートリノが原子核(または高エネルギーの電子)に衝突してミューオンや電子などの他の粒子を生成したときに生じる、高エネルギー荷電粒子が発する青い光を通してニュートリノを検出します。現在ニュートリノには、ミューオンニュートリノ、電子ニュートリノ、タウニュートリノの3種が知られています。
宇宙線は宇宙に起源をもち、光速に近い速度で飛来する高エネルギー荷電粒子です。その多くは原子核で多くは陽子ですが、電子や陽電子、そのほかの原子未満の粒子も含みます。これらの粒子が大気圏に入ると、相互作用を起こし空気中に2次的な粒子のシャワーを生じさせます。この一部は地表に到達し、2次的に作られたミューオンやニュートリノもアイスキューブに到達します。超高エネルギーの宇宙線、特に銀河系外からの宇宙線の特性や起源はまだほとんど知られていません。アイスキューブは、宇宙線が生じるのと同じ環境で生成される超高エネルギーニュートリノと、宇宙線が大気圏で相互作用を起こした際に生じるミューオンやニュートリノの両方を研究しています。
ニュートリノが重要な理由は数多くあります。天体物理学においては、太陽系外からの高エネルギーニュートリノは理想的な宇宙のメッセンジャーです。
それらは基本的に起源となる天体から直線的に訪れ、その特性から、宇宙の極限状態を生み出し、今もなお原動力となっている強力な物理プロセスを紐解くことができます。
ミューオンニュートリノがアイスキューブで相互作用を起こすと、二次粒子としてミューオンが生まれます。ミューオンは検出器内を移動し続け、移動しながら光の軌跡を生じます。この軌跡(トラック)は直線状に伸びる長い光のパターンです。
ミューオンは荷電粒子で電子と似ていますが、それより200倍大きな質量をもちます。アイスキューブのミューオンは光速に近い速度で飛行する相対論的粒子です。
ニュートリノは地球内部をすり抜けることができますが、ミューオンにはできません。そのためニュートリノを経ていない宇宙線由来のミューオンは、南極上空からアイスキューブに降り注ぐことしかできないのです。一方、地球の反対側から通り抜けてきたニュートリノによって生じたミューオンだけは、そのままアイスキューブの底から上に向かう移動方向を持ちます。氷中でのニュートリノの相互作用により、アイスキューブで信号を生じさせることができるミューオンが生成されます。
カスケードはアイスキューブ検出器の中でより球形の信号を生む、外側へ広がる光のパターンです。カスケードは電子ニュートリノの典型的な相互作用ですが、ほかの相互作用で生じることもあります。電子ニュートリノが原子核に衝突すると、検出器内で相互作用する電子に変化し、粒子のシャワーが生じます。この粒子たちも相対論的速度で飛行するのでミューオン同様に青い光を発します。しかしすぐに相互作用するので、球形の光のパターンを生むことになるのです。
アイスキューブの信号の色のついた泡は、アイスキューブのセンサーが検知した光の量と時間を表しています。泡の大きさは光の明るさに対応し、より大きな泡はより明るい光が集まったことを意味します。また色の違いは時間の進行に対応し、検出された順に虹の色の順で表されています。つまり早く検出された光は赤色で示され、検出が遅くなるごとに緑、青色へと色が変わっています。