完了しています!このプロジェクトでは現在既に全てのデータが分類されました。
私たちへの質問はトークページで送ってください!ここに、頻繁に聞かれる質問と答えをピックアップします。
非常に興味深い天体を発見しましたか?変光天体を見つけた際、このドキドキを皆に伝えたい、大声で叫びたい時は、「はい」の分類に加え、ぜひこちらのフォームを記入してください!このフォームは特に興味深い天体を私たちが見つけるうえで、分類のデータを集めることに加えて役に立ちます。
目次
太陽系外小惑星(Exoasteroid)はこのプロジェクトの英語版の原題にもなっており、文字通り目的が私たちの太陽系の外側、主には白色矮星に衝突する小惑星を発見することだからです。こうした太陽系外小惑星は宇宙の他の惑星系の形成や構成について貴重な情報を与えてくれ、さらに太陽系外の生命についての手がかりになる可能性もあります。太陽系外小惑星の研究は、太陽系外の惑星や衛星、そのほかの天体を研究する幅広い太陽系外惑星科学分野の1つです。
市民科学は科学者と世界中の一般市民の間の科学的コラボレーション・コミュニケーションの一形態です。NASAは、世界中のすべての人々の才能が次世代の天文学にとって不可欠と考え、市民科学が科学コミュニティのより大きな部分を占めるよう推進してきました。堪える小惑星プロジェクトには特別な経験は必要なく、どんなバックグラウンドの参加者も歓迎します。このプロジェクトに必要なトレーニングは、このページ内や実際の分類で十分提供されています。
小惑星は太陽を公転する小さな岩石天体で、その多くは小惑星帯と呼ばれる火星と木星の間の領域に存在します。小惑星は太陽系の惑星形成時に残った材料です。太陽系の形成時に、小惑星同士が衝突・合体を繰り返して水星や金星、地球、火星といった惑星を形成しました。多くの惑星と異なり、小惑星は非常に小さく、大気.を持ちません。直径は1mほどのものから、数百kmに至るまで幅広いです。これらの小惑星の中には、太陽の周りを一周するのに数十年から数世紀かかるものもあります。
(クレジット: NASA/Asteroids)
太陽系外小惑星は太陽系の外側に存在する小惑星で、私たちの太陽ではない恒星を公転しています。私たちの太陽系の小惑星同様、岩石や金属で構成されていると考えられています。科学者たちは太陽系外小惑星が恒星に衝突したときの恒星大気の変光を観測することで、太陽系外小惑星を見つけ始めています。
彗星は太陽を公転する氷やダスト、岩石の塊で小惑星とよく似ています。水星が太陽に接近すると、温められてガスやダストを放出し、太陽と反対方向を向く尾やコマと呼ばれる構造が生まれます。彗星は太陽系内の主に2つの領域を起源とし、そのうち地球に近いほうがエッジワース-カイパーベルトと呼ばれる海王星の少し外側の領域です。もう1つはオールトの雲と呼ばれる、太陽系の端にある彗星と小惑星が集まる領域です。
星周円盤は原始星周辺のガスやダストなどでできたリングです。こうした円盤は、太陽系の惑星や衛星、その他の天体が誕生する場です。円盤の物質が衝突し合体すると、数百万年かけて大きな天体に成長します。デブリ円盤は星周円盤の1種で、主に小さな岩石やダストでできており、惑星形成が終わった後の残りであることが多いです。
白色矮星は主系列星の「星の死体」の一種です。これらの天体は非常に小さく、地球と同じくらいの大きさです。通常の恒星は燃料を使い果たすと爆発し、中心核が崩壊して白色矮星になります。そこでは太陽などの恒星の生命を維持する核融合反応は起こっていませんが、それでも数十億年間は輝き続けるため、宇宙の最後に生き残る天体の1つです。
主系列星はあなたが学校で習うであろういわゆる「普通の恒星」のことで、輝き続けるため、また自身の重力に反発するために、数十億年の間核融合反応を起こします。たとえば太陽はG2型に分類される主系列星です。主系列星はその質量と温度に基づき違う名前で分類され、この分類をスペクトル型と呼び、O, B, A, F, G, K, Mに分類されます。Oが最も高温でMが最も低温です。私たちが夜空で見る星の多くは主系列にあります。
(クレジット: ESO)
変光星は時間とともに明るさが変化する恒星です。この変化は、星自身の大きさや温度の変化、惑星やほかの星が手前を通り隠される、何かの物質が恒星に影響するなど様々にわたります。明るさが定期的に変化するものもあれば、不規則に変化するものもあります。堪える小惑星プロジェクトでは、恒星の明るさを時間経過につれ不規則に変化させる、ダストや太陽系外小惑星といった物質を探しています。以下は堪える小惑星の画像の中にみられる、変光する白色矮星の例です。
ゴーストは望遠鏡内での光の反射や散乱によって観測時に生じる偽の像です。このプロジェクトの画像ではゴーストはオレンジ色で見え、明るさも変化するため、偽の変光白色矮星として現れます。WISEデータ中のゴーストの例を以下に示します。
回折スパイクはWISE望遠鏡に入った光が、副鏡を支える金具で回折したものです。明るい恒星の周りにスパイク構造として現れ、明るさが変化するので探している白色矮星と誤解されやすいです。回折スパイクの一例を以下に示します。
混み合ったフィールドとは、天の川銀河の銀河面のような、空の中で特に恒星が多い領域です。つまりこれは望遠鏡と関係ない、天の川の構造で起こることです。これらの領域で分類を行うのはコンピューター、人間の両方にとって難しいことがあります。こうした領域の例を以下に示します。
本プロジェクトにおける画像はWISE宇宙望遠鏡による疑似カラー赤外線画像です。これらの画像は色が反転されており、暗い背景が白く、白い天体が黒く表示されます。時系列の画像を見る際に、背景が白いとユーザーにとって明るさの変動がより見やすくなります。
ここからは、分類中に見つけた天体について自分で詳しく調べたいという上級者向けに用意した機能について紹介します。
SIMBAD (天文データ同定・測定・書誌セット:the Set of Identifications Measurements and Bibliography for Astronomical Data)は、プロの天文学者が使用する、便利ですが複雑な天体データベースで、堪える小惑星にもとても役立ちます。このブログ記事では、あなたが分類中に見つけた天体が既知の変光星かどうかをSIMBADで確かめる詳細な方法を説明しています。
Zooniverseで表示されている天体を直接SIMBADで検索したリンクが、サブジェクトのメタデータに含まれています。画像右下のiボタンのSIMBAD linkを押してください。
SIMBAD上で、あなたが見ている領域内に1つしか天体がヒットしなかった場合は、リンクからは直接その天体の情報のページに飛びます。複数以上のヒットがあれば、画像中心からの距離が近い順に並んだ天体のリストが表示されます。リンクをクリックすればSIMBADで、見つけた天体についての詳しい情報を知ることができます!さらに、もしSIMBADで合致する天体がなければ、まだ発見が公開されていない白色矮星を見つけた可能性があります!
SIMBADの表では長い名前の略語が使われています。たとえばV* = Variable(変光星)、WD* = white dwarf(白色矮星)、PM* = high proper motion Star(固有運動の大きい星)です。SIMBADの詳細については前述のブログ記事をご覧ください。
SIMBADの最も便利な機能の1つが、カタログ内の天体それぞれについて、その天体に言及している論文の一覧が表示される機能です。SIMBADの天体ページを3/4ほどスクロールすると"References"という項目があり、"sort references"をクリックすればあなたの調べている天体について言及・議論している論文タイトルを(そうした論文があれば)見ることができます。ぜひ論文の内容も確認してください。あなたの調べた天体は、すでに国際的な大きな議論の対象として注目されている場合もあれば、ただ装置の較正に使われただけだったり位置測定の参照先だったりするだけかもしれません。
SIMBADで探している天体が見つからなければ、ViZieRを利用して公開されているほぼすべての天体カタログを探すことができます。VizieRについてのより詳しい紹介はこのブログ記事を参照してほしいのですが、ここでも少しだけ基本事項を紹介します。
SIMBAD同様、Zooniverse上で見ている天体をViZieRで見つけるためのリンクはすでに各サブジェクトのメタデータで準備されています。
SIMBADと違い、ViZieRは検索している多種のカタログごとに、多数の天体リストを提供します。それぞれのリストはあなたが探している位置(推定した座標や、画像の中心)から距離が近い順に並べられています。それぞれのカタログが、独自の特別な目的や視点・注意事項があるため、このリストをさらに生かすには追加で資料を読む必要があるかもしれません。変光天体を見つけた可能性が高いので、クエリで"variable"への参照を調べてみてください。
おそらくもっとも簡単で手っ取り早く、その天体が公表されているかを調べる方法はWiseViewを使うことです。WiseViewはZooniverseで表示されているサブジェクトと似たようなWISEデータの連続画像を表示するために構築されたオンラインツールです。しかしZooniverseの連続画像と違い、WiseViewはZooniverseでは固定されている設定値を自由に変更でき、その中には最小・最高輝度(画像のコントラストの設定)、スライディングウィンドウ(ノイズを抑えるために隣り合うフレームを混ぜる手法についての調整)、ガイアオーバーレイなどを含みます。ガイアは夜空の既知天体の最大級のデータベースです。
他サイトと同様、見ている領域に対応するWiseViewへの直接のリンクがそれぞれのサブジェクトのメタデータタブに含まれています。
堪える小惑星プロジェクトの画像に含まれる天体のほとんどは、ガイアの第3期早期データリリースによる130万個の白色矮星候補から見つけたものです。つまり、このZooniverseページに表示された天体のほとんどはガイアカタログ内に見つかります。このカタログは変光を探している白色矮星について追加情報を得るための強力なツールです。このブログ記事では、ガイアカタログを使って白色矮星に関する、温度や表面重力、距離といった様々な情報を得る方法を紹介しています。
ただし、他と違い、それぞれのサブジェクトでのガイアカタログへのリンクはメタデータ中で提供していません。
太陽以外の恒星を公転する彗星である太陽系外彗星は太陽系外小惑星とよく似ており、Zooniverseプロジェクトで発見される可能性は十分にあります。ただし似ているとはいえ、よく観察して白色矮星の光度曲線を見ると、一般的な形状が太陽系外小惑星とは異なることがわかります。これは、彗星が小惑星に比べてより多くの氷の外殻を持ち、太陽系外彗星が白色矮星に接近するとそれらが昇華を起こすことに起因します。
しかし現在まで、白色矮星に影響を与える太陽系外彗星の発見例はなく、あなたが太陽系外彗星の第一発見者になれるかもしれません。
白色矮星の明るさは太陽系外小惑星以外にもいろいろな現象を理由に変化します。明るさの変化の典型的な一例として、連星系であるため伴星を持つ場合です。もし伴星が地球からの視線上にあれば、明るさは公転に合わせ周期的に変化します。ほかに、連星のうち片方が主系列星でもう片方が白色矮星の時、白色矮星の表面に主系列星からの物質が降着し、周期的に明るさを変化させる矮新星が知られています。降着した物質は白色矮星表面で、重力に打ち勝ち輝くために核反応を起こします。さらに、降着が不安定になれば超新星のようなより爆発的な現象を起こします。こうした現象は明るさの不規則な変化を起こします。
さらには、白色矮星の大気の振動によって明るさの変化が起こることもあります。これらの変動は、白色矮星が時間と共に冷えていくことや、大気中の特別な化学元素の存在によって起こります。こうした明るさの変化は脈動白色矮星として知られていますが、変光周期は数分から数時間程度です。
このように、太陽系外小惑星が影響するほかにも、白色矮星自身で起こる現象も、白色矮星の明るさの変化に大きな役割を果たします。