





完了しています!このプロジェクトでは現在既に全てのデータが分類されました。
Thank you to everyone who came to our talk on July 20th, 2026! If you missed it you can watch the recording here.
恒星やその周囲を公転する惑星は、「分子雲」として知られる巨大なガス星雲の内部で形成されます。私たちのチームは、比較的太陽系の近くにあるいくつかの分子雲で恒星がどのように形成されるかを研究しています。
上の2枚の画像は私たちの銀河系である天の川銀河内部の配置を正確に描いたものです。この画像は銀河系内のガス、ダスト、恒星を注意深くマッピングした結果に基づいています。天の川銀河は棒渦巻銀河に分類され、たて・ケンタウルス腕とペルセウス腕の2本の巨大な渦の「腕」が支配的です。私たちの太陽系はオリオン腕と呼ばれるより小さな腕(上の左の画像では緑の矢印、上の右の画像では拡大して示されています)に位置しています。上の図をよく見ると、オリオン腕や他の渦の腕、そして太陽の近くには暗いガスの雲がたくさん描かれています。これらが、星形成が起こる分子雲です。雲の中のダストが星の光をさえぎるため暗く見えます。私たちは、「まさに今」形成されている恒星を求めて、多くの分子雲中を捜索しています。
上の画像はNGC 1333という、新しい恒星が内部で形成されている星雲です。これはペルセウス座の方向にあることから名づけられたペルセウス座分子雲の一部です。この画像をよく見ると、深紅色の塊が見えます。これらは「ハービック・ハロー天体」(HH天体) と呼ばれる天体で、こうした天体を最初に研究した2人の天文学者の名前に由来しています。これがまさに私たちが探している天体です。もっと拡大してみましょう。
画像の下の方にあるように、HH天体の一部は歪みながらも直線状をしています。複雑な形を描くことに注意してください。しかし他のHH天体は、拡散して煙の束のように見えます。これはなぜでしょうか?
HH天体の正体は「原始星」と呼ばれる、星雲内部で形成されている天体から噴き出すガスのジェットです。上の左側の画像は、原始星の想像図です。原始星は通常ダストの星雲に埋もれて外からは見えませんが、ジェットだけは星雲を突き抜けてその外側にまで伸びます。
上の右側の画像はオリオン大星雲にあるHH34と名付けられた実際のHH天体の写真です。中央に隠れている原始星から下に赤い線状のジェットが見えます。(おそらく上にも伸びていますが、ダストに隠されています)さらに、画像の上部と下部にそれぞれ、半球状の衝撃波があります。これは、ジェットがそれを取り巻くガスに衝突して生じており、これもHH天体です。この複雑な形状は、ジェットの速度やエネルギーだけでなく、それを取り巻くガスの密度や大きさにも依存します。HH天体の重要な点は、その存在こそが、たとえ直接見えてなくてもその星雲内部で原始星が形成されている証拠となることです。
皆さんに見てもらう画像を生成するために、私たちはそれぞれの星雲についてgバンド、iバンド、Hα(N662)バンドの3種類のフィルターで撮影しました。gバンドは私たちの目で緑や青で見える光の波長範囲です。iバンドは近赤外光と呼ばれる、私たちの目には見えない波長範囲です。Hα はナローバンドフィルターとも呼ばれる、高温の水素ガスから生じる赤色の光だけを通すように設計されたフィルターです。(フィルターの詳細はこちら)
最後にカラー画像に仕上げる際、gバンド画像を青に、iバンド画像を黄色に、そしてHα画像を赤に割り振り、1枚に加算します。
こうして仕上げたHH天体の1つ、HH417の画像が以下です。
恒星は3枚の画像すべてで見えますが、HH天体は赤のHα画像にしか写っていません。その結果、最後のカラー画像ではHH天体は濃い赤色で写ります。
画像の作成方法で重要なのは、HH天体が濃い赤で見えるという点です。つまり、濃い赤で写っていない天体はおそらくHH天体ではないことを意味します。例を見てみましょう。
これはHH79と番号づけられたHH天体で、Z字型の部分とその右僅か上の塊の部分で構成されています。この濃い赤色も、内部で加熱された水素ガスによるものです。しかし、宇宙にはHH天体以外にもこのHαの光を出す天体は無数に存在します。そこで、HH天体の候補が確かに本物のようだと確認するために、[Sll]と呼ばれる硫黄-ll光のフィルターでも画像を撮影しています。右側の白黒画像がこのフィルターで撮影されたものです。硫黄原子は水素ほどこの宇宙に存在していませんが、原始星ジェットが衝突して衝撃が加わると特有の光を放ちます。カラー画像で濃い赤で写り、なおかつ [Sll]画像にも写っている天体はHH天体である可能性が高いと確信が持てます。つまり上の画像で、[Sll]画像に写っていてもカラー画像ではオレンジ色で写っているのはただの恒星で、HH天体ではありません。
HH天体の発見は難しく、今日までに1000個ほどしか見つかっていません!なぜでしょうか?
HH天体は通常とても暗く、観測には大型の望遠鏡が必要です。しかし従来、巨大望遠鏡は空のほんのごく狭い領域を「拡大」することを目的に設計されてきました。一方で原始星が形成されている分子雲は巨大で、その大きさは100光年を超えるものもあります。そのような大きな分子雲を、非常に視野の狭い大望遠鏡で探すことは困難でした。
しかし、大望遠鏡用の広視野カメラの登場で事態は変わりました。セロ・トロロ汎米天文台(CTIO)にあるブランコ4m望遠鏡に設置されたダークエネルギーカメラ(DECam)もそのカメラの1つです。
上の左の画像はブランコ望遠鏡に取り付けられたDECamです。カメラの重さは4tに達し、これまで作成されたカメラで最も重いものの1つです!撮影で得られる画像も巨大で、およそ5.2億ピクセル(520メガピクセル)に達するサイズです。上の右の画像はこのプロジェクトのためにDECamが撮影したカラー画像のうちの1枚の全体図です。この画像全体で、満月の14倍もの広さの領域をカバーしています。DECamの画像は大きすぎるので、皆さんに1回の分類で見ていただくのはこの全体の画像を約2000分割したうちの1つの切り出した画像です。右の画像で緑色の正方形で示したのが、切り出した画像のサイズの比較です。前述のHH79の画像もその切り出した1枚の例です。これらの膨大な画像の多くはまだ調査されておらず、あなたはその画像内のHH天体の最初の発見者となれるかもしれません!