





完了しています!このプロジェクトでは現在既に全てのデータが分類されました。
銀河が相互作用を起こすと、それらの重力で星やガスが引っ張られ、長い尾や細長いストリーム、広がった扇形構造や繊細なシェル構造を見せます。こうした潮汐構造は衝突によって生じた物理的な破片であり、銀河が相互作用を受けているか衝突している最中にあるという最も明瞭なサインです。皆さんはこうした銀河の通常の形に合わない構造、たとえば中心核から伸びる光芒や非対称構造、母銀河と繋がっていないかすかなストリームなどを探すことで、こうした特徴を見つけることができます。これらは滑らかに見えることもあれば塊状になることもあり、まっすぐな時も曲がっている時もあり、時には背景の空からわずかに明るいだけのかすかなこともあります。
以下は合体銀河NGC2623をハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像です。NGC2623は格が既に合体した銀河合体の晩期にあり、複数の潮汐構造が見えています。合体中に起こる質量とガスの交換によって生まれたばかりの若い星々で満たされた潮汐テールのストリームが銀河の両側から流れ出ています。
画像クレジット: NASA, ESA and A. Evans (ニューヨーク州ストーニーブルック大学、バージニア大学、米国シャーロッツビル国立電波天文台)
潮汐特徴を見つけるには、銀河の端にあるかすかな光のシミまで捉えることのできるほど強力な望遠鏡が必要です。
ここでユークリッド宇宙望遠鏡が登場します。ユークリッドは2023年に欧州宇宙期間が打ち上げた宇宙望遠鏡で、何十億個もの銀河を含む銀河の地図を全天の1/3の領域について作成するために設計されました。私たちの目的にとってユークリッドが特別なのは、その鮮明さと観測の深さの組み合わせです。地上望遠鏡が大気に妨げられて観測できないほど暗い光を優れた解像度のまま捉えることができます。ユークリッドは、微細で拡散した、ノイズに埋もれがちな潮汐構造を捜索においてとても強力なのです。
問題は、人間さながらに銀河を見て判断するよう学習されたアルゴリズムが存在しないことです。潮汐構造は形が多種多様で、明るく劇的なものもあれば暗く目立たないものもあり、2つとして同じものはありません。機械学習モデルは一貫した明確なルールを持つ対象において特に有用ですが、銀河の合体にそのようなルールはありません。
一方で人間の目は「おかしな見た目」、つまりわずかな非対称性、別の形に沿うような光の帯、銀河の対称性から外れた形などについて非常に敏感です。まさにこの人間の本能こそが、このプロジェクトに必要なのです。
このプロジェクトには2つのワークフローがあります。
まず1つ目は、皆さんに見せる画像中の銀河が合体過程にあるかどうか、合体中であれば何個の銀河が合体しているかを見つけてもらいます。そして2つ目では、相互作用の兆候を見せる銀河について、どの種類の潮汐構造が見られるかを分類してもらいます。中心から長いテールが伸びているでしょうか?銀河を暗いシェルが覆っているでしょうか?2つの銀河を橋渡しする物質が見られるでしょうか?こうした特徴それぞれが、銀河の合体のステージや、どれくらいの質量比の銀河が合体しているか、重力的な崩壊について星やガスはどう影響を受けたかなどの側面を明らかにします。
私たちと一緒に、銀河合体と潮汐構造のかつてない広範囲で高品質なカタログを、ユークリッド Q1で観測されたデータから構築しましょう。こうしたカタログは、ユークリッドほどのスケールと深さでは未だ存在しません。
ユークリッドの合体カタログは複数の研究分野の基盤となります。画像に写っている現象と、その基になっている物理(銀河がどのように互いに接近するか。重力はどのように星やガスをかき乱すか、両者の質量比はどれくらいか)を繋げることで、衝突の様子だけに限らず衝突の原動力となっている事象までも理解を始めることができます。ユークリッドが観測できる銀河の宇宙における時間範囲は幅広いため、宇宙が年齢を経ていくにつれて銀河の合体活動がどう変化したかを追跡でき、私たちが今日観測している銀河の形ができあがるにあたって衝突がどのような役割を果たすのか追っていくことができます。
皆さんの貢献は、人間による分類と併用する機械学習ツールを直接改善することにも繋がります。皆さんが分類した内容はそのまま訓練用データとなり、自動システムはより判別しづらい相互作用の兆候も見つけるようになります。皆さんの観察結果は、このプロジェクトにとどまらず、今後何年にもわたって研究者が使用するようになるツールに反映されます。
銀河は単独では進化しません。あなたが地図作りに協力している宇宙は、何十億年にもわたって衝突や合体、重力的な接近を通じて形成されてきたものです。そしてこのプロジェクトで使用する画像全てがその進行中のプロセスのスナップショットです。この宇宙の全体像の把握に、あなたが協力してくださることを嬉しく思います。
このプロジェクトはNASAのEuclid助成金#80NSSC25K0005を受けています。
NASAの市民科学プロジェクトについては science.nasa.gov/citizenscience を参照してください。
このプロジェクトは欧州宇宙連合のユークリッドミッションのQ1データリリースから作成しています。このデータについての詳細は cosmos.esa.int/web/euclid/euclid-q1-data-release を参照してください。