We added 81 new GRBs in the sample! Please check them out in the "Pulse Shape" workflow!

研究

振幅グラフィティプロジェクトにようこそ!このプロジェクトでは皆さんによる、宇宙で起こる最もエネルギーの大きな爆発現象の1つであるガンマ線バースト(GRBs)の特徴を識別する手助けを必要としています!

ガンマ線バーストとは何ですか?

ガンマ線バーストは宇宙で最も高エネルギーな爆発現象の1つです。このバーストは、たった10秒間で太陽が10億年かけて放出する量に相当するエネルギーを放ちます。幸運にも、このバーストは宇宙でも遠く離れた場所で発生するため地球に直接害はありませんが、科学者や天文学者は研究対象として強い興味を持っています。


アニメーションクレジット: NASA/CGRO/BATSE

上のアニメーションはNASAの宇宙望遠鏡が検出したガンマ線バーストの例です!この望遠鏡はコンプトンガンマ線衛星に搭載された、バースト突発天体実験(Burst And Transient Source Experiment:BASTE)と呼ばれる装置です。この望遠鏡は、下の図で示す光のスペクトルの一部分であるガンマ線を検出できます。


画像クレジット: クリエイティブコモンズ

ガンマ線バーストはすべての波長の光(光子)を放出しますが、最初に見えるのは主にガンマ線の放射で、このプロジェクトでも注目しています。
BASTEは時間とともに観測されるガンマ線の情報を集めており、ガンマ線の強度を示す様々な色で表したガンマ線での空の動画を作成することができます。一番上のアニメーションで、画像中心を横切る白や赤の線は、私たちの天の川銀河が放出しているガンマ線です。天の川よりも画像上側にある非常に明るい点がガンマ線バーストを表しています。私たちの銀河系も全体で多量のガンマ線を放出していますが、ガンマ線バーストはさらに多くのガンマ線を放出し、たった10秒間で銀河全体を照らすことで望遠鏡の検出器を飽和され、画像全体を真っ白にすることもあります。

一番上のアニメーションの右側では、ガンマ線の量を時系列で追跡したグラフを示しています。グラフの縦軸が、望遠鏡の検出器が検出したガンマ線光子の量で、上にあるほどより多くのガンマ線光子を検出したことを表します。ガンマ線バーストは鋭いピークを示します。この種のグラフはガンマ線バーストの光度曲線と呼ばれ、これらのバーストを引き起こす物理的メカニズムについて洞察するヒントになります。

このプロジェクトでは、これらの特徴的なピークをカテゴライズしてもらいます。私たちが、ガンマ線バーストの背後に隠れた現象を深く理解する役に立ちます。

天文学者は、ガンマ線バーストは恒星やブラックホールに関する極端な天体物理学的な出来事によって生じると考えています。こうしたエネルギーの大きな出来事は、極めて高いエネルギーを持った粒子や光子の強いジェットを形成します。ジェットによるパルスは、研究者に、バーストを作り出す現象についての情報を与え、科学的な発見に繋げます。以下の図は、ガンマ線バーストでどうやって光子が生成されるかについての、私たちの現在の理解を表しています。


画像クレジット: NASA/ゴダード宇宙センター/ICRAR.

より具体的には、天文学者は現在、ガンマ線バーストを形成しそうな主な物理的メカニズムは2種類あると考えています。そのうち頻繁に起こるほうが大質量星の崩壊です。大質量星がエネルギーを生み出すための燃料を使い果たしたとき、重力による崩壊と超新星と呼ばれる爆発が起こります。
超新星の一部は、以下のアニメーションで示したように、強力なガンマ線のジェットを放出することもあります。

クレジット: NASAゴダード宇宙センター

一方で頻度は低いですが、ガンマ線バーストは以下のアニメーションのように、中性子星やブラックホールの合体でも生じます。こうした現象はほかに重力波という現象も起こします。重力波はアインシュタインの一般相対性理論によって100年以上前から予言されていましたが、重力波検出器LIGOとVIRGOのアップデートによって2015年にようやくその存在が確認されました。

クレジット: NASAゴダード宇宙センター

なぜ天文学者はガンマ線バーストに関心を示すのでしょうか?

ガンマ線バーストはガンマ線でとても明るいので、近傍の銀河から非常に遠くの宇宙に至るまで、宇宙のどこで起こっても地球から観測することができます。
光の速度は有限なので、遠方宇宙からの光は長い時間をかけて宇宙を伝わり、そのため私たちが遠方宇宙の光を観測する時点では宇宙の過去の姿を眺めていることになります。実際、ガンマ線バーストは宇宙で最初の恒星が形成されたとされる時代の光を直接検出できる数少ない例の1つです。そのため、ガンマ線バーストは初期宇宙の研究や、宇宙が現在の姿までどうやって進化したかを知る強力なツールとなります。

さらに、ガンマ線バーストは超新星や中性子星、ブラックホールといった宇宙の中でも最も極限的な環境で作られるため、地球では再現が困難な極限環境における物理学を研究するためにも利用できます。

ニール・ゲーレルズ スウィフト天文台

皆さんがこのプロジェクトで見ているデータはニール・ゲーレルズ スイフト天文台という、スウィフト宇宙望遠鏡としても知られる、以下の画像の望遠鏡が取得したものです。


クレジット: NASAゴダード宇宙センター

スウィフトは多波長望遠鏡なので、可視光線から紫外線・ガンマ線に至るまで光のスペクトル全体でガンマ線バーストを観測できます。スウィフトは2004年11月20日に打ち上げられ、それ以来20年間宇宙を監視しガンマ線バーストを検出しました。以下の動画では、スウィフトが500個目のガンマ線バーストを検出した時点での、スウィフトによる発見の概要を紹介しています。以降も観測を続け、現在までにスウィフトは1600個以上のガンマ線バーストを観測しました!

クレジット: NASAゴダード宇宙センター

なぜ皆さんの助けを必要とするのか

特定のパルス形状(これらのパルス形状についての情報はフィールドガイドを参照してください)を持つガンマ線バーストを識別しフラグ付けするには皆さんの助けが必要で、これにより天文学者がそれらの物理的起源の謎を解くことができます。皆さんの目は、私たちのコンピューターでもまだ見分けられない、パルスの形状とそれ以外のパターンを正確に分類できます。こうした皆さんによるガンマ線バーストの分類は、天文学者がバーストの起源を正確に特定し、この宇宙の謎の多い高エネルギー現象についての人類の知識を前進させる役に立ちます。

もし、皆さんの分類によって天文学者がどうやってガンマ線バーストの物理について知るのかに詳細に興味がある方は、ページ上部のよくある質問のタブを参照してください。

謝辞

このプロジェクトはNASAの市民科学シーズ助成プログラム(CSSFP)の援助を受けています。

行動規範

振幅グラフィティプロジェクトは協力的・包括的な環境の構築を目指しています。本プラットフォームでの議論に参加する際は、他者、特に異なる視点や経験を持つユーザーを尊重してください。さらなるガイドラインは、Zooniverseトークコミュニティー規則を参照してください。