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研究

地球の磁気圏:宇宙天気における宇宙の傘


地球の磁気圏(青い線)と太陽風(オレンジの線)の相互作用の想像図。クレジット:NASA

太陽は常に、エネルギーとともに 太陽風 として知られる荷電粒子の流れを放出しています。こうした爆発は強大で、時には地球の人々や文明にとって危険な存在です。しかし地球には優れた防御システムがあり、それが磁気圏 という、私たちの地球そのものがもつ磁場で形成される見えないバリアです。太陽風が宇宙空間を吹き抜ける時でも、ほとんどの場合磁気圏が太陽からの放射線や粒子を押し返します。この防御シールドは太陽の激しい宇宙天気から地球の安全を守るうえで重要な役割を果たしており、私たちの地球を生命にとって安全な場所にしています。これが、磁気圏を「宇宙の傘」と呼ぶ理由で、太陽の宇宙天気から地球を遮ってくれるのです。


宇宙天気が地球に及ぼす影響 クレジット: NASA/NOAA

太陽風が地球の磁気圏に届くと驚くべき現象が起こります。この相互作用により北極と南極の空が光るのです(オーロラ)。太陽からの特に大きな爆発では強大な地磁気嵐が生じ、GPSや通信システムを乱します。科学者は、どのように太陽風が「宇宙の傘」と出会うのかを研究しています。これにより、太陽活動の予測や宇宙飛行士・技術機器の保護が可能となります。さらに、他の惑星でどのように磁気シールドが機能するかという知見にも応用できます。

磁気圏:プラズマ物理学の天然の実験室


太陽風(solar wind)、シース(sheath)、磁気境界面(magnetopause)、境界層(boundary layer)、磁気圏(magnetosphere)の位置を示す図。縮尺は実際と異なります。

宇宙の傘と太陽風の相互作用がどうやって相互作用する理解するために、3つの重要な領域:磁気境界面、境界層、磁気圏を知ることから始めます。上の図で、どの領域のことかを参照してください。

磁気境界面 とは地球の磁気圏からの圧力と太陽風の圧力が拮抗する境界で、その位置は変化します。この境界の内側が 磁気圏 です。ここにあるほとんどの粒子は地球大気を起源としており、地球の磁場が磁気圏を囲むように閉じた泡を形成します。

磁気境界面の外側には、磁気圏シース (もしくは単に シース )が存在します。シースの粒子は太陽から来たものですが、すでに地球磁場の影響を受けています。地球の磁気圏を小川の中の岩だと想像してください。太陽風が磁気圏の周りを流れると、地球の前方にバウショックと呼ばれる衝撃波面が形成され、そこで太陽風が減速し加熱されます。シースはこの加熱された太陽風によって構成されています。

磁気境界面は明確な境目ではありません。境界付近には 境界層 と呼ばれる、シースからの粒子と磁気圏が混合した場所があります。ここでは太陽風と地球の磁場が絡み合うことがあります。このプロセスを 磁気リコネクション と呼び、これによって太陽粒子にエネルギーが付け加えられるので地球の磁気圏の中への侵入を許します。同時に、磁気圏の粒子がシースを超えて宇宙空間に逃げ出すこともあります。

強い宇宙天気イベントの際には、磁気リコネクションが非常に激しくなります。磁気境界面は地球に近くなり、人工衛星が公転する軌道よりも内側になることもあります。こうした極端な事象では多くの粒子が混合されエネルギーを受け取ります。そして人工衛星に損傷を与え、アメリカテキサス州南部やメキシコ、日本の本州までオーロラが見えるようになります。

科学者は太陽風粒子がどのように地球の磁気圏に侵入し、その内側でどのように変化するかを知りたいです。宇宙のこのエリアは、宇宙天気や磁気リコネクションの理解に役立ちます。科学者は磁気境界面や境界層を宇宙にある天然の科学実験室のように使っているのです。

NASA MMSミッション:磁気圏の秘密を解き明かす


地球磁気圏の探査するMMS衛星の想像図 クレジット: NASA

NASAの磁気圏マルチスケールミッション(Magnetosphere Multiscale Mission :MMS)は、2015年に打ち上げられ、4機の衛星が共に飛行しながら地球の磁気圏の縁部分を研究しています。その主要目標は磁気リコネクションの理解です。

このプロジェクトでは、皆さんはMMSに搭載された高速プラズマ調査機(Fast Plasma Investigation :FPI)と呼ばれる装置で取得したデータを観察します。この装置は荷電粒子のエネルギーと数を計測、カウントします。皆さんが見る画像は、どれくらいのエネルギーの粒子が検出器に何個衝突したかを示しています。FPIデータは、観測時に衛星がどの領域内にいたのかを知る手掛かりになります。なぜなら、磁気圏内の荷電粒子とシースにある荷電粒子は全く違った特徴を持つからです。

クラウドソーシング:磁気圏と境界層を見分けるカギ


NASAのMMSミッションによる10分間の観測データを専門家が分類した参考例。MMSはデータの最初には純粋なシースに位置しましたが(一番左)、シースと磁気圏の両方の特徴を持つ領域に移動し(MSphと表記します)、最後に純粋な磁気圏領域に到達します(一番右)。専門家が分類した参考例をさらに見たい場合はフィールドガイドを参照してください。

8年間以上のミッションを通して、私たちのチームはMMSが磁気境界面を観測した例を5000回以上見つけています。私たちは、FPIデータ内に異なるプラズマ特徴を区別する機械学習アルゴリズムを使用しています。しかし私たちは、このアルゴリズムが境界層においては混乱することに気付きました。これは、境界層のデータはシースと磁気圏の両方の特徴が混在することによります。

そこであなたのようなボランティアの力を貸してください。
人の目はMMSが境界層にあることを見つける点において、私たちの現在の機械学習モデルよりはるかに優れています。多くのボランティアの回答を組み合わせることで、MMSが境界層に突入し脱出したことを示すより信頼できるデータを集めることができます。プロジェクトの終わりには、これまでで最大の、人が検証した磁気境界面・境界層の観測コレクションを構築することができます。この新しいデータセットは宇宙科学者が、太陽と地球磁場がどう相互作用するかをより理解できる助けになります。

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地球の防衛を手伝っていただけることに感謝いたします!

このプロジェクトはNASAの資金支援を受けております。詳しくは NASA Citizen Science projectsやNASA 参加方法を参照してください。