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研究

UCLA SETIについて

UCLA SETIのミッションは銀河系内で人類のほかにも文明があるという証拠を見つけることです。私たちは世界最大の可動式電波望遠鏡である、アメリカ・ウエストバージニア州の100mグリーンバンク望遠鏡を用いて、電波のテクノシグナチャー(技術力のある文明の兆候)を探しています。私たちの捜索は数千光年離れた恒星にまで感度を持ち、天の川銀河の広い範囲へのコンタクトが可能です。これまで55000個以上の恒星から8200万を超える候補信号を検出し、今後もさらなる観測を予定しています。

私たちは市民科学者とのコラボレーションで捜索をより拡大できることを嬉しく思い、皆さんの参加に感謝しています。このコラボレーションはNASA市民科学シード助成金プログラムと惑星協会からの助成により実現しました。

地球外生命の捜索

宇宙における生命の捜索は人類の科学的探究の中でも最も奥深いものの1つでしょう。地球上のすべての生命は共通の祖先を持ちますが、全く別の形態の生命の発見は、生命システムについての私たちの理解に革命を起こすでしょう。より哲学的な観点では、宇宙における人類の立ち位置を一変させるでしょう。NASAのケプラー宇宙望遠鏡の観測を基にした推計では、私たちの銀河系には数十億個もの生命が居住可能かもしれない惑星があるとされています(Bryson et al. 2021)。惑星の数の多さと、生命の構成要素の豊富さを結び付けて考えれば、この宇宙に生命自体が数多く存在するという示唆に至ります。

バイオシグナチャーとテクノシグナチャー

宇宙における生命の捜索は、まずバイオシグナチャー(生命存在指標)かテクノシグナチャーを探すことから始まります。バイオシグナチャーは、過去または現在に生命が存在したという科学的証拠になる現象や物質の存在のことです。テクノシグナチャーは、過去または現在に何らかのテクノロジーの存在を示唆する、測定可能な特徴・効果です。テクノシグナチャーの捜索は電磁スペクトルの可視光・赤外線・電波の波長で行われますが、このプロジェクトでは電波のテクノシグナチャーに注目します。

電波のテクノシグナチャーの利点

電波テクノシグナチャーの捜索は、地球外生命の捜索範囲を、従来の原始生命中心の捜索から高度で複雑な生命に、また太陽系近傍に限られた捜索から銀河系全体に及ぶ捜索に拡大することができます(Margot et al., 2019)。具体的には主に4つの利点があります。
(1)バイオシグナチャーの捜索に比べて桁違いに低コストである
(2)バイオシグナチャーの捜索ができる太陽近傍の局所的な領域に比べ、100万倍広い空間が捜索可能圏内となる
(3)検出した兆候は自然のプロセスでは起こりにくいため、検出結果の解釈の信頼性が高い
(4)信号がデコードできれば、人類の知識が大幅に進歩する可能性がある

プロジェクト目標 1:SETIデータで最も有望な信号を発見する

私たちのテクノシグナチャーの捜索では、地球から415光年以内になるアレシボ電波望遠鏡クラスの送信機から発せられた電波に感度を持つモードと、地球から13000光年以内にあるアレシボよりも1000倍効果的な送信機からの電波に感度を持つ観測モードで、100mグリーンバンク電波望遠鏡(GBT)を運用しています (Margot et al., 2023)。私たちの観測ではLバンド(1.1-1.9GHz)帯にあたる800MHzの帯域幅でサンプリングしており、これはある程度文明の進んだ宇宙空間のすべての観測者が知っているはずの唯一客観的な基準となる電波といえる、中性水素が出す 1,420 Mc./s. (波長21cm)の輝線を含みます(Cocconi and Morrison, 1959)。観測時間の1時間ごとに、それぞれ数千の恒星を含む空の8方向を探索し、500万の狭域帯信号を検出します。そのうちおよそ99.5%は私たちのデータ処理パイプラインによって自動的に、地球由来の人為的な無線周波数干渉(RFI)と分類され除かれます。残った1時間当たり25000件の検出は他よりは有望なテクノシグナチャー候補です。この市民科学プロジェクトでは、この中から特に有望な信号を抽出するために設計されています。

プロジェクト目標 2:RFIを認識できる機械学習の構築への支援

人間が発する電波による混線である無線周波数干渉(Radio Frequency Interference :RFI)はテクノシグナチャー捜索の最大の障壁です。ほとんどのRFIは従来のコンピューターツール(たとえば Siemion et al., 2013)で除去できますが、機械学習(ML)によるツール(たとえば Pinchuk and Margot, 2021)によって分類のロバスト性、正確性、速度を大幅に向上できます。候補信号をRFIか地球外からの信号かの分類を向上させるためMLアルゴリズムを訓練させるには、前もって正解の分かっている訓練データセットが必要になります。この市民科学プロジェクトは、このラベル付けされた訓練用データを生成するためにも設計されています。

ダイナミックスペクトル

私たちのデータ処理パイプラインは、レーダー天文学やパルサー天文学の標準的な解析手法に似ています。このパイプラインは、横軸が連続した周波数、縦軸が連続した時間に対応する2次元画像上に、信号強度をピクセルの明るさに変換して表示したダイナミックスペクトル(スペクトログラム、ウォーターフォールプロットといった呼び名でも知られています)を生成します。ダイナミックスペクトルは500 x 446ピクセルサイズで、周波数298Hz、時間150秒の範囲を表示し、各候補信号の時間周波数構造を明らかにします。

もっと知りたい

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